「……綺麗だ」
 身長はセーファスより10pほど高く、護衛隊長にふさわしい鍛え上げられた上半身は、まるで彫刻のように美しい。
 下を脱ぐのをためらっている様子のジェイルに痺れを切らし、セーファスは彼を押し倒し、逞しい胸についた飾りに爪を立てる。
「ぁ、く……っ……」
 ベルトにかかっていた手が無意識のうちに下へと移動する。
「自分で触るのか、いやらしいな」
「……っ」
 言われて手をまたベルトへと戻し、早く外してしまおうとするが、快感に震える彼の手はなかなか言う事をきかない。
「俺のを舐めていろ」
 ジェイルの顔の前に、彼の痴態に勃ち上がった自分の雄の象徴を持っていき、セーファスはジェイルのベルトを外す。そして下衣を下ろしてやると、勃ち上がったものが勢いよく飛び出す。
 セーファスはそれを口に含み、執拗に愛撫する。
「ん……ぁっ……、っ!」
 程なくして、初めて他人に触れられたそこは慣れない快楽に耐え切れず、セーファスの口の中に精を放つ。
 国王である彼は、逆の経験は数あれど、他人の精を口で受けるのは初めてだ。少々驚きながらも、自分の愛撫で感じてくれたジェイルに愛しさは募る。
 精を口に含んだまま、ジェイルと顔が向かい合うよう移動する。自分の拙い愛撫では達することが出来なかったセーファスに、ジェイルは申し訳なさそうな顔を向ける。
「沢山出たぞ、自分で触ったりはしないのか?」
 言いながら、ジェイルに口付け、彼の放ったものを流し込む。
「ん゙……」
 あからさまに嫌そうな顔をしたジェイルに微笑ましさを感じる。
 口の端に零れた分を指ですくい、ジェイルの後孔に持っていく。
「は、……」
 硬いそこをゆっくりと解していく。
「……!っああぁっ、」
 指が感じる部分に当たったらしい。押さえきれなかった声は外の部下にもはっきり聞こえただろう。羞恥を隠せないジェイルは、もう声を上げるまいと指を噛んだ。
「やめろ、傷ついたらどうする」
 慌てて手を退けさせ、唇を重ねる。
 そして、そのまま挿れる指を増やしていく。
「っ、ぅ……!」
 しばらくして、ジェイルに押され唇を離す。
「っ……はぁ…………」
「どうした、こうしていれば声も出ないだろう」
「……息が、できません……」
 思わず吹き出したセーファスに、ジェイルは責めるような視線を寄越す。
「そうか、それは済まなかった」
 鼻ですれば良いとは教えず、ジェイルの後孔に指を差し込んだまま、天蓋を少し開き、少し外側に居た護衛官を追い払う。
「ほら、これで思う存分声を上げられるぞ!」
「いけません、警備が手薄になります」
「人に聞かれる方が良いのか」
「そ、そういうわけでは……!」
 しかし、追い払われた護衛官はすぐに小走りで戻ってきた。
「侵入者だそうです」
「無粋な!」
「隊長、動けますか?」
「……大丈夫だ」
 脱ぐ時とは比べ物にならない速さで最低限の着衣を済ませると、ジェイルは枕元に立てかけていた剣を取る。
「あの様子からするとこそ泥の類であろう。放っておけば良い」
「いけません」
 彼のそういう所が好きなのだが、セーファスはやはり不満げな顔をする。

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