「ほら、気持ちよくなってきただろう」
思い切り鎖を引かれると首が絞まるのでジェイルは腰を挙げ膝立ちになる。
セーファスはジェイルの肘を曲げさせ手首を拘束する器具を自分の右腰の辺りにあてがうようにする。
そして彼の後頭部を押さえ、薬の効果もあり物欲しげに濡れ切った雄の象徴を左足の側面で器用に刺激してやる。
「っ、あ、」
目を固く閉じ顔を伏せたジェイルの腰が、たまらないといった風に僅かに揺れる。
「く……」
「可愛いぞ」
震えるジェイルのそれをセーファスは左足を使って自分の右脚に押し当てるように刺激する。
「ぁっ」
「もうイったのか」
陰毛の剃られたそこから白濁の飛び出す様はひどくいやらしい。
「よし、風呂は終わりだ」
ジェイルの全身に湯をかけながら言う。
彼は耳まで赤くなりセーファスの方を見ようとしない。
「来い」
セーファスが鎖を持って浴室を出るとジェイルはなんとか四つ足でふらふらとついてくる。
「散歩も終わったから、ケージに入っておけ。あ、トイレはここだぞ、分かるな」
犬は家の外に繋いでおくのが普通だが、セーファスも流石に恋人をそこまで辱める気はないらしく、異国の風習に従った。
屋内に置かれた小さな檻の中には浅い大き目の器があり中に吸収の良さそうな布類が沢山敷かれている。
さすが王族というところか、犬の下の世話に毎度こんなものを使っていては一般庶民の家庭なら破産するだろう。
「ここに入るんだ」
かなりの抵抗を受けながらもセーファスはジェイルをケージに入れる。
細い鉄棒でできた小さな檻であるが、鍵だけは彼が逃げ出せないようしっかりしたものがつけられている。
セーファスは暫し散歩用の鎖は外したが、赤い首輪はつけたままで、膝丈のブーツだけを履いた恋人の姿を眺める。
「じゃあ、待っていてくれ」
言うと、未練を断ち切るように足早に歩き去る。
「え、待て、俺をこのまま……、おい、セーファス!」
君主に自分の声を無視されたことなど今まで一度も無かったジェイルは複雑な気分になる。
しかしまずはこの状況を打破せねばならない。国王の私室とはいえ一日に数回侍女は来る。
あれで意外と抜け目の無いセーファスのことだから何らかの手回しはしてあるのかもしれないが、彼にとって問題がなくとも自分にとっては大問題となり得る。
そう考えジェイルはとりあえず内から鍵をいじるが、当然ながら素手では開きそうにない。
体育座りでも天井が頭上すぐにある小さな檻は触ってみると簡単に曲がりそうだ。
「檻をどうにかするのが一番現実的か……」
ジェイルは体育座りに疲れて胡坐をかき、腿に肘をついて顔を乗せる。
彼ががもう少し若かったり、彼を捉えたのが敵であったりしたならあるいはそうしたかもしれないが、日ごろの国王の仕打ちや先程までの行為による疲れでなかなかそこまでする気はおきない。
第一ここから出たところで、毎朝侍女に服を持ってこさせて、あろうことか着替えさせてもらってまでいるセーファスの部屋だ。
その都度脱いだ服は回収されすぐに洗濯されるから、この部屋にはクローゼットの類は無い。
脱がされたジェイルの服はベッドの上に放り捨てられているが、シャツ以外は無残に切り裂かれとても着られたものではない。
シャツとブーツだけの格好でこの部屋を出る訳にはいかないが、シャツだけでも着られたらましかもしれない。
しかし例えば侍女が掃除に来たら、妙な格好で立っているくらいならいっそ檻の中に居たほうが潔いかもしれない。
ベッドの下に隠れるという手もあるが、これは見つかった場合さらに気まずい。
そんなことを考えていると、ドアの開く気配があった。

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