窓から差し込む光を感じ目を開けようとした途端、側頭部に手刀をくらった。
ルーが顔を真っ赤にしてこちらを睨み付けている。
「何だ、主人に手を上げるか?」
昨夜は汚物にまみれたまま寝かせてしまった。
彼は自分でシャワーを浴びて着替えたようだ。
「いいかげん出て行け貴様!」
殴りかかってきた腕を掴み彼を引き倒す。
「おはようのキスだ」
「っ、ぐ……」
しかし想像以上の力ですぐに身体を離された。
「なんだ、機嫌が悪いな」
「朝、起きたら、貴様が、……」
眉を寄せそっぽを向いてぼそぼそと何か言う。
「僕が何かしたか?」
「どけ! シーツを洗う!」
ベッドから降りようと身を起こしたところで、下着の中が濡れているのに気付いた。
「まあ待て、これはどういうことだ」
「……!」
下着を下ろして見せると、ルーは信じられないというような表情をする。
「きさっ……、何を見せて、」
「僕はお前に何かしたか?」
「っ……」
ルーが遠回しに話し始める。
要するに僕は寝ている間、ルーの腿に腰を擦り付けていたのだそうだ。
「出て行け! 昨夜のことで勝ったと思ったら大間違いだ。普段の私ならあんなもの……!」
「?」
勝った負けたなんていうことをしているつもりはなかった。
「そういえばお前は、人の血を吸わなくても生きられるのか?」
「そんなはずがないだろう!」
「このベッドは何のためのものだ?」
「…………」
ルーと寝ていた時には気付かなかったが、女の臭いがする。
道具屋が言っていた、若い女が美しい恋人と消える事件……。
犯人が彼だとは思ったが、血の臭いに混じった欲情の残り香。
「ルー、いつもここで何をしている」
揺れる紅の瞳に、何故か胸の奥が焦げる。
「女を抱いているのか?」
再び引き倒した彼の下衣を膝上まで下ろす。
鈍く光る黒い石の輪に締め付けられて、彼のペニスは緩く反応している。
手で何度か扱いて勃ち上がった僕のものを無理矢理彼のアナルへと押し込む。
「ぐぁっ……」
固いそこは裂けて血を流すが、彼の首に腕を回し、すぐに腰を動かす。
「あ゛、……くっ……」
僕の腕を外そうとしたルーの手に力が入る。
爪を立てられ皮膚が切れるが痛みも感じない。
「やっと出会えた穢れ無き魔物だと思ったのに」
「し、知るか! ぐ゛、痛い、くそ、落ち着け!」
彼の頭を抱いていた腕を外され、至近距離から怒鳴られる。
目の前にルーの顔がある。

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