「キルー」
「!?」
翌朝、いつもは給仕のようなのが持ってくる食事をセイレンが運んできた。
干草は部屋に常備されているのだが、やはりそれだけでは飽きるので人間らしい食事もさせてもらっている。
「ちょっと目をつぶっててくれ」
「……?」
「大丈夫、何も変なことしないから」
人生初の友達の命令なので、仕方なく目を閉じる。
「あーん」
「……」
戸惑いつつも口を開くと、何かが入ってきた。
「新メニューなんだ。食べてみて」
恐る恐る咀嚼する。
「どう?」
「美味い……が、何だこれは?」
「……落ち着いて聞いて。
 ウサギって、硬い植物を食べるから、消化するのが大変なんだ。
 そこで、一回腸内で発酵させて、もう一度食べて消化するんだ。
 まさかそこまでウサギの性質が現われるとは思わなかったけど……君もそうみたい。
 これは君が昨日出した柔らかい緑のうんちなんだけど、食べるのは何もおかしことじゃないんだ」

我が耳を疑った。暫く思考が停止する。
しかし咀嚼を止めた口内にあるものはやはり美味しく、真実を聞いても吐き気もおきない。

「食べないと栄養が足りなくなるんだ、イヤかもしれないけど食べてくれ。
 本来肛門に口をつけて飲み込むものなんだけど、ちょっと出来ないかな……」

「……目を開いていいよ」

「ちょっと床に仰向けに寝てみて」

顎に手を当て何か考えながら言っている様子のセイレンは、ニヤニヤしている時よりずっと逆らいにくい。
純粋な研究目的なのが分かって、私の羞恥などで邪魔をしていいものかと思うからだろうか。

「あ、こうすればいいんだ」

腰から脚を持ち上げられる。
身体が柔らかい方ではないので、少々辛い。
これも改造されてからなのだが、便意を催す頻度が高く我慢も効かない。
自分の収縮する肛門が見える格好にさせられる。

「そのまま出して口で受ければ、自然に近い感じになるかも」

「いや……」

「大丈夫、君は人じゃなくてウサギなんだから」

相変わらずフォローになっていない。
しかし、セイレンに見られることに羞恥は感じても、行為自体に抵抗は感じない。
私はやはり人ではなくなってしまったのかもしれない。

「違う……見るな、恥ずかしい……」

「…………分かった、部屋を出よう。後でまた来るから」

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